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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#2:『株式投資の未来』

読書記録(書評)


こんにちは!
今日は、「読書記録」より第二冊目の感想・書評を書きます

今日の本はこちら。

株式投資の未来』,ジェレミー・シーゲル(瑞穂のりこ訳),2005,日経BP

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目次

 

 第1部 「成長の罠」を暴く

  -成長の罠 / 創造的な破壊か 、 創造の破壊か?
  -時に裏打ちされた価値 / 成長すなわちリターンにあらず

 第2部 過大評価される成長

  -バブルの罠 / 新興の中の新興に投資する
  -資本を食う豚 / 生産性と収益

 第3部 株主価値の源泉

  -金をみせろ / 配当債投資 / 利益

 第4部 高齢化をめぐる危機と世界経済の力学シフト

  -過去は未来のプロローグか? / 変えられない未来
  -高齢化の波を乗り越える / 世界的解決

 第5部 ポートフォリオ戦略

  -世界市場と国際ポートフォリオ / 未来に向けた戦略 D‐I‐V指針

 付録 S&P500当初構成企業の変遷とリターン



要旨


 株式投資について、二つの問いがよく聞かれる。一つは、高齢化で経済がシュリンクする先進国においても、今後株式市場のリターンは約束されるのか。もう一つは、リターンが見込まれるとして、どんな銘柄を選べばよいか、だ。

 一つ目の問いについて、先進国の株式市場のリターンは、新興国の経済成長によって担保されると私は考える。なぜなら、新興国がモノやサービスの供給者となって、先進国の経済を支えるからだ。

 先進国は、たとえ高齢化によって国内の生産性が後退しても、新興国の潤沢なヒトやモノの恩恵を享受することができる。それゆえ、ヒト・モノ不足でインフレが起きたり、企業収益が圧迫されることを過度に心配する必要はない。

 また、新興国が先進国の資産の買い手になるという点も心強い。
 先進国では、生産性が高齢化についていけなくなれば、資産の買い手が国内からほとんどいなくなってしまう。退職者は生活維持のために債権や株式などの資産を売却せざるを得ない。一方、財力が落ちてきている現在の労働年齢人口に、その資産を受け止めきる余裕はない。そうなれば、債権や株式の価格は暴落するだろう。
 しかし、生産余力のある新興国では多くのカネが余っている。それが先進国の資産の受け取り手となり、金融資産の価格を適正に維持させることにつながる。

 二つ目の問いに関しては、期待成長率が実際の成長率より低く、配当が手厚い銘柄を選ぶのがよいだろう。

 まず注意が必要なのは、ある銘柄が高いリターンをもたらすのは、成長率が株主の期待を上回った場合に限るという点だ。
 一般に、成長著しいセクターの株こそリターンをもたらすと思われがちだ。しかし、それは間違えである。なぜなら、高い成長性のセクターに対しては、投資家も相応の、あるいは過度な成長率を期待しているからだ。結果、ある程度の成長が実現されても、株価はあまり上がらない。逆に、成長性が低いセクターの株のほうが、期待成長率が低いために株価は上がることもある。成長性とリターンに相関はないのだ。

 配当利回りが安定して高いことも重要である。
 というのも、配当は業績の堅調さを投資家に示す証だからだ。実際歴史的に見て、配当利回りが高い銘柄のほうが、低いものよりも高いリターンをもたらしてきた。
 また、受け取る配当が多ければ、再投資によってそれだけ多くドルコスト平均法を効かせることができるという点も魅力だ。



感想・書評


最初読んだときは「成長性の罠」のところが衝撃でしたね。
成長性とリターンは関係ないのか!、と…
資本コストとか知った今では、ふむふむそうだよなーといった感じになってしまいますが。


今日ちょっと読み返して思ったことは主に二つです。

シーゲルはIPOの特殊性を無視しているという点、新興国が高齢化したあとどうなるのかまで考えていない点です。


一つ目のところについて、ジェレミー(なぜかファーストネーム笑)は、S&P設定当初の銘柄構成のほうが、組み替えを経ているふつうのS&P指数のパフォーマンスよりもいいという風に言っています(p.27)。

これによって、S&Pに新しく組み込まれる新興株のリターンは相対的に低いということを主張していました。

わたしが思ったのが、IPOの新興株のリターンは、S&P設定当初の銘柄のリターンとは分けて考える必要があるのではというものです。

そもそもIPOって景気が良くて株式市場が好調な時に増える傾向があるのではないでしょうか。
そうだとしたら、新興株は好況の煽りを受ける期間が短くなるので、S&P設定当初の銘柄よりリターンが低くなって当然な気がします。

あと、IPOの初値の付き方がおかしくなりがちなのはアメリカでも同じでしょうから、そこは調整してもいいじゃないかなと思いました。
単純に初値で組み込んで考えるのではなく、上場後少し時間を取ってからの価格で組み込んでリターンを考えるとかしたほうがいい気がします。

(あとここの主張の中で、シーゲルの考え方には生存バイアスの問題も絡んでそうだなーと思ったんですが、ちょっと考えがまとまりそうにないので、ブログに書くのはやめました…無念です(;_:)
同じこと思ってる方いらっしゃたらご教授願います!


二つ目に気になったのが、先進国の高齢化は新興国が支えるから大丈夫なんや!というところ。

これは明らかに時間軸の取り方が短い気がします。

たしかに当面は筆者の言うとおり、新興国がモノやサービスを余計に作ってくれて、先進国の経済を支えるのかもしれません。
でも、新興国とて将来は先進国になって大なり小なり高齢化に至っていくのは避けられません。

そうなったとき、超高齢化の国を支えるのはだれなのでしょうか。
シーゲルさんが言うぐらい、それでもなお新興国に余剰があるのでしょうか。

これは投資というか経済の広い話になってしまうのでわたしにはちょっとわかりませんね…
もう少し詳しく書いてほしかったところです。