読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

PBRは生産性をあらわす


こんにちは!

今日は昨日の記事で書いたのれんのことに関連して少し。
PBRについて考えてみたいと思います。

結論から言うと、PBRは割安度の指標というよりは、生産性や効率性の指標に近いのではないか、ということです。

「低いから割安!」というより、「高いから生産性良い!」、というイメージをわたしは先に持つようになるかもしれません。


 

PBRとは…



ここであらためて言うことでもないかもしれせんが、PBRの定義についておさらいします。

PBRは「株価純資産倍率」という言葉のとおり、株価が一株当たり純資産額に対してどんな割合になっているか、という意味ですね。
式は、PBR=株価/BPSです。

そのため、PBRが1未満だと、割安だという判断がなされます。
1未満だと、一株に割り当てられる純資産の額が株価より大きくなるからです。
PBRが0.9だと、1000円を900円で買えるという感じになります。




PBRはなにを評価しているのか? 

 

ここからが本題です。

昨日の記事では、のれんは資産に価値を付加するものと言いました。
のれんは、ブランドやノウハウといった捉えどころのない帳簿外のものではなく、本来は帳簿上の資産のいずれかに帰属してその資産の価値を高めるものということです。


そう考えた場合、PBRは、「純資産と対応する形で帳簿上に見えている資産」に対して評価しているのではなく、「のれん価値が付加された資産」に対して評価しているという解釈に変わってくるのではないでしょうか。


昨日の記事の木こり職人・キコリーナさんの例に戻ってみます。

コリーナさんは、斧を使うのがとても上手です。
単位時間当たり普通の職人さんの二倍の数の木を切り倒すことができます。

ここで仮に、どの木こりさんも同額の斧だけを資産として持っていて、調達資金源を自己資本のみとした場合、キコリーナさんの株券のPBRはふつうの職人さんの二倍になります。


ではこのとき、キコリーナさんへの出資者は、「斧」を帳簿上の資産のモノとしてそのまま評価して二倍の評価を下しているのでしょうか

言うまでもなくノーですよね。
コリーナさんの斧使いの腕というのれん価値を、モノとしての斧という資産に上乗せして評価しています。
コリーナさんの腕とモノとしての斧、この二つを合わせて一つの「斧」としてみている感じです。

コリーナさんがこの斧を保有することで、斧という資産が二倍の生産性を持つようになっているからこそ、PBRも二倍になるわけです。


逆に言うと、斧を使うのがすごい下手な職人(通称:キレヘンさん)がいたとして、ふつうの木こりさんの半分しか木を切れないとしたら、PBRはふつうの半分になってしかるべきということです。

それは斧が過小に評価されているからというよりも、斧の生産性が半分だからそうなっているわけです。
その意味でフェアバリューで評価されているということになります。



PBRの含意

 

以上のことから、わたしとしては、PBRは生産性や効率性の高さを示す意味合いも大きいと考えます。

株価指標というよりは、どちらかというと財務指標に近いイメージになりそうです。
たとえば、総資産回転率とか有形固定資産回転率とかと似たような。

高いことに意味があるケースも多くなりそうです。


このことはPBRの式を変形させれば明らかですね。

変形過程は省略しますが、PBRはROE×PERという式でもあらわすことができます。
この式の通り、PBRは、ROEが高いだけ高くなるので、当然生産性も包含することになります。

もう少し詳しく見るため、ROEを分解してみましょう。
ROEは、利益率×総資産回転率×財務レバレッジであらわされます。

個人的には、このROEの式の中では、計数の大きさ的に利益率よりも総資産回転率の役割のほうが大きいかなーといった感覚(←)を持っていました。
(財務レバレッジは政策的な要素が大きいので無視)

今日書いたことを踏まえるとその感覚も納得といった感じです!


うーん、この式に集約されるあたり、なんか当たり前の結論になってしまった感もありますね…




補足(結論)

 

ツイッターでも書きましたが、のれんとPBRについて補足というかまとめです。

上記の「PBRが生産性を表す」というのは、市場の効率性を前提にしています
木こりさんの例でも、もし出資者が、キコリーナさんに対して、生産性が劣る普通の木こりさんと同じような評価をしていたら、PBRが生産性の指標にならないことは明らかです。

ですが、このことは裏を取ると、PBRと資産の実際の生産性が乖離していないかをみることで、株価の歪みを検討できるということでもあります。

たとえば、PBRが4倍でのれん価値が帳簿上の資産の3倍もあるのに、事業用資産の実際の生産性は2倍しかなかったとします。
すると、資産1倍分ののれん価値は帳簿上の資産に帰属できますが、残りの2倍分ののれん価値はどの資産にも割り当てることができなくなってしまいます。

この場合、資産2倍分ののれん価値はいずれの事業用資産の利用価値も高めていないため、実体のないのれん価値だという解釈ができます。
ゆえに、株価は割高だという判断になるということですね。


くどくなりますが、木こりさんの話でたとえなおしてみます。

仮に、キコリーナさんが普通の木こりさんよりも四倍高い評価(PBR4倍)を受けていたとします。
資産は斧だけなので、斧四つ分の評価になっているということですね。
そのため、斧三つ分ののれん価値が生じています。

しかし、キコリーナさんの実際の生産性は普通の人の二倍です。

帳簿上の斧にキコリーナさんの斧使いの腕を加えて一体の「斧」としてみたとしても、その「斧」は二倍の生産性しか持ちません。
コリーナさんの「斧」は帳簿の斧二つ分の価値しかないということです。

そのため、斧三つ分ののれん価値のうち、モノとしての斧に帰属できるのはそのうち一つ分だけになり、残り二つ分ののれん価値はあてがなく宙に浮いてしまいます

この宙に浮いた分が、株価のゆがみだという解釈ができます。


以上の例は、PBRが高くのれん価値が余って割高になるケースでしたが、逆に考えれば、PBRが低く負ののれん価値が余って割安というケースもあります。
また、PBRは高いけどのれん価値が足りなくて割安、PBRは低いけど負ののれん価値が過小で割高ということもあり得ます。

つまり、強引にまとめますと、「のれんはモレなく、事業用資産のいずれかに帰属しなければいけない。 帰属していないのれんがある場合、株価に歪みがある可能性が高い」ということになります。

実際の分析ではちょっと使うのは難しいかなという気もしますが、考え方の方向性としては大きくは間違っていないんじゃないかーと思います。



-------------------------------------



「PBRの含意」で書いたことはもはや自分の感覚という独りよがりな感じになってしまいましたが、今日の記事はこれで(笑)

わかりにくいところもあったかと思いますので、なにかご意見ありましたらぜひぜひ(^o^)/