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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#14:『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』

読書記録(書評)


こんばんは!

読書記録目次」より十四冊目の感想ですー
きょうはこちら!

『戦略コンサルティング・ファームの面接試験』,マーク・コゼンティーノ(辻谷一美訳),2008,ダイヤモンド社

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目次・概要

 

 

目次

第1章 面接プロセス

第2章 ケース・インタビュー対策

第3章 アイビー・ケース・システム思考法

第4章 戦略思考のためのフレームワークとツール

第5章 戦略ケース問答実例集

第6章 ケースインタビュー練習法



概要・書評

コンサルの面接でよく出されるフェルミ推定とケース問題を扱った参考書的な本。

前半では、各種ビジネスケースでの定石的な考え方や、3CやPPM、5フォース分析などの経営学の基本概念が簡単にまとめられています。
後半では問題と解答例が載っています。

「新規市場参入」や「成長戦略」、「競合への対抗策」などなど、いろいろなビジネスケースについて網羅的に扱われているので、個人的には勉強になりました。
問題を解いていると頭の体操にもなります。

ただ、あくまで面接試験のための本なので、「実際に使えるのか?」と疑問を持つ人が多いかと思います。
ですが、コンサル試験用とだけあって非常に論理的で的は外していないと感じますので、こういう定石は身に着けておいて損はないかなーという印象です。

投資の企業分析においても、手探りで分析をスタートするということは避けられるようになるかな、と思います。

 



少し詳しく紹介

 


フェルミ推定


フェルミ推定とは、実際に調査するのが難しい問題に対して、使える材料を組み合わせて論理的に推論して答えを導ことです。
理系の方とか経営学専攻だった人はなじみがあるものなのではと思います。

たとえば、以下のような問題があります。

日本では毎年、何本の水巻ホースが売れているか。(p.37)

ネットフリックス社は、毎年何枚のDVDを郵送中に紛失しているか。(p.41)
*ネットフリックスはアメリカのDVDレンタル会社です。TSUTAYAとかゲオに置き換えていただいても大丈夫です。


こんな問題に対して、人口や世帯数、面積などのデモグラフィックなデータを切り口に、仮定を置きながら問題を小さくブレークダウンしていくことで、答えを出します。

水巻ホースの例でいえば、日本の世帯数は?→ホース利用のある世帯率は?→購入頻度は?と考えていく感じです。

問題はネットにたくさん転がっているので、ご興味ある方はぜひ!
「都内にマンホールは何個あるか」とか「日本でいまこの瞬間にトイレにいる人は何人か」とかは有名な問題です。


これは企業分析では欠かせない考え方だなーとわたしは感じております。

分析しているとき、情報が足りなくて仮定を置かざるをえない場面に出くわしたことは多いかと思います。
そんな時、仮定をなるべく論理的に置くために、フェルミ推定的な考え方は使えるのではと。

フェルミ推定は数字遊びみたいに思われていることもありますが、自分が考えられる範囲まで問題を切り分けていくっていう考え方は有用だと考えています。
大きい問題を階層的に小さく切り分けることで、はじめて本当に重要な問いが見えてきたりもすると思いますので。

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ケース問題


次にケース問題ひいては企業分析についてなんですが、この考え方も基本的にはフェルミ推定と変わらないと思っています。
ちなみにケース問題というのは、「○○の売上を伸ばすためには?」とか「○○の事業に新規参入すべきか?」みたいな問題のことです。

ここでもやっぱり、問題を切り分けてつぶしていく、というのは重要だなーと。
「売上を伸ばす」であれば、客数をどう増やすか→購入頻度をどう上げるか→購入単価をどう上げるか、みたいにブレークダウンできます。

なのでケース問題も、切り口がデモグラフィックなものから経営学的な定量データや定性データに置き換わっただけで、考え方自体は一緒な感じがします。

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と言いましたが、フェルミ推定と問題の構造は同じでも、ケース問題や企業分析では要素が絡み合っていて複雑だという点はやっぱり違うかもしれません。
問題を細かく細かく切り分けるだけでは通じない場合もあると言いますか。
そこが一番厄介なところでもある気がします。

たとえば、5フォース分析による業界構造分析一つとっても、競合の対抗度、買い手や売り手の強さとか、新規参入企業の脅威、代替品だとか、見るべき要素はたくさんあります。

で、そうやって見たときに、5つのうちどの要素がキーになるのかは、フェルミ推定ほどには簡単に割り切れないかなーと。
要素同士が相互に関連しているからです。

新規参入企業の脅威を例にとってみます。

新規参入の脅威はそのまま参入障壁の高低とも言い換えられます。
規模や範囲の経済でコストのメリットが出たり、特許で技術が守られていたりする場合、あとからその業界に入るのは難しくなるので、新規参入の脅威は低いという感じです。

ですが、この新規参入の脅威には、スケールメリットとか特許の要素に加えて、競合の対抗度や買い手の強さとか5フォースのほかの要素自体も影響してきます
業界の成長率が低くて競合の対抗度が強ければ、新規参入するのは難しくなるでしょう。
買い手の力が弱くて売り叩きができる業界なら、新規参入の力は強くなります…

で、ここで翻って、新規参入の脅威ではなく競合の対抗度や買い手の強さを見ていくことに変更したとします。
ところが、ここでもさっきと同じ問題が出てきてしまいます。
競合の対抗度には新規参入の脅威や代替品の強さが絡んでいたり、買い手の強さには競合の対抗度や売り手の強さが影響していたりするからです。


抽象論になってしまいましたが、こんな感じで5つの要素はお互い関係しあっているわけです。

だから、フェルミ推定みたいにロジカルに要素を分解して階層的に並び立てていっても、ひたすら堂々めぐりするだけになってしまい、うまくいかないことも多いと思うんですよね。
要素を階層的に並べるのではなく、平面に並べてその関係性を全体的に捉える視点が不可欠になります。

その視点というのは、昨日の読書記事にも書いたように、過去のビジネスの事例を頭にひたすらストックしていくこと、分析の数をこなすことで養っていくしかないのかなと思います。


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フェルミ推定はふだん暇なときとかにもパズル的に楽しめる気がします←

今いるお店の売上がいくらかとか、今自分が使っているものを使っている人は全国に何人いるのかとかを考えてみたり。

これからやってみたいです(・_・)

ではでは!今日はこれで!