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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#15:『企業価値評価 上』


こんばんは!

今日も「読書記録目次」より十五冊目の感想ですー
きょうはこちら!

企業価値評価 上』,マッキンゼー・アンド・カンパニー,2006,ダイヤモンド社

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目次・概要

 

 

目次

第1部 原理編

 -企業価値の最大化 / 企業価値を創造する経営者
 -価値創造の本質 / 株式市場は何で動くか

第2部 実践編

 -企業価値評価のフレームワーク / ROICと成長率
 -過去の業績分析 / 将来の業績予測
 -継続価値の算定 / 資本コストの推定
 -企業価値の算定と結果の分析 / マルチプル法による企業価値評価



概要・書評

企業価値評価についてまとめられた本。

ROICやWACCの丁寧な説明に始まり、将来の財務諸表の想定の仕方まで、詳しく書かれています。
DCF法だけでなくエコノミックプロフィット(残余価値)法についても説明されている点も良かったです。

基礎的な知識は前提にしている感じなので、価値評価を勉強し始めてすぐの時に読んだわたしには最初難しかったです笑
もし前提の知識がなくて読まれるのであれば、日経BP社の『MBAバリュエーション』やこの前紹介した伊藤さんの『ゼミナール企業価値評価』あたりの基礎的な本を読んでからがよいかと思います。




参考になった点

 

企業の使命としての株価

経営者としてのフレッドの使命は、企業の本来価値を最大化するだけでなく、資本市場の期待をコントロールすることでもある。(p.60)
*フレッドは例で出てきた架空の会社の社長です。


企業は、業績と株価のパフォーマンスを同時に管理するべきであるという主張。
株価を適正な価格に維持することも企業の使命であるという感じです。

これには二重の意味があると思ってます。

まず一つが、投資家に対する義務を果たすために株価を維持する必要があるという意味です。

投資家は企業に投資する際、ある水準の期待収益を想定して投資をします。
方や企業は、期待収益を自身のコスト(資本コスト)として受け入たうえで、投資家から資金を調達します。

なので、株価のパフォーマンスの数字というのは、ある意味企業と投資家間の事前の合意で決められているはずなんですよね。
だから、企業は市場の期待と業績の両方を管理して、株価のパフォーマンスを適正に維持する責務が発生するという感じです。

二つ目に、自社の利益のために株価を維持しなければならないという意味があります。
投資家との契約という面を抜いても、株価の適正な管理は企業自身のファイナンスにとっても重要という考えです。

たとえば、株価が過度に下がれば期待収益はそれだけ上がってしまうので、株式市場での資金調達のコストが高くつくようになります。
それに、敵対的な買収をされるリスクも出てきますね。

逆に株価が適正値より高い場合、株式市場での資金の受け取り手が少なくなるので、追加の資金調達が難しくなります。
自己資本が少ない会社がこういうケースに陥った場合、追加の借入をすることもなかなか厳しいので八方ふさがりになり、倒産リスクが一気に高まります。

と、こんな感じの二つの理由で、企業が市場の期待をコントロールすることは肝要だとなるわけです。

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わたしが特に注目しているの後者の理由のほうになります。
というのも、このことから、優れた会社のほうが、比較的に、株価が割高にも割安にも振れにくいということが言えると思うからです。

グレアムさんも言っていましたが、優秀な経営者であれば、市場の期待をコントロールして株価を適正な水準で管理するはずなんですよね(*1)。
ファイナンスで不利にならないように、優れた会社は、割安な株価はもちろん割高な株価も許容しないと考えられます。

なので、優れた会社の株価はノイズが小さく、業績の伸びに沿って株価も淡々と伸びていきやすいということになるかと思います。

そうなると、銘柄選ぶときはなるべく質の良い企業を探す方向で努力したほうが、低リスク、高リターンになるかもしれませんね。
劣っている(ように見える)会社は、ノイズのせいで業績と株価の乖離が大きくてリスクが高いですし、そもそもの期待収益も低いので。

うーん、この「株価は適正でも優れた会社か、劣っていても割安な会社か」っていうところについては、なんかコロコロと考えが揺れてる気がします(^_^;)笑
難しいところですが、どちらがいいのか少しずつ考えていきたいですー

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簡単ですが今日はこれでー


そういえば企業価値評価のExcelツール作るつもりだったのですが、ずっと放置しっぱなしになってますね……
読書がひと段落したらまた取り掛かりたいです(・・)ゞ

ではではー今日はこれで!



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〈参考〉
ベンジャミン・グレアム(土光篤洋編),『賢明なる投資家』,2000,パンローリング社,p.194