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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#16:『バフェットの銘柄選択術』


こんばんは!

読書記録目次」より十六冊目の感想ですー
きょうはこちら!

『バフェットの銘柄選択術』, メアリー・バフェット,デビッド・クラーク(井出正介訳),2002.日本経済新聞社

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目次

 

第1~4章

 -市場からの永遠の贈り物 / バフェットが重視する優良企業とは
 -コモディティ型企業は避けよう / 消費者独占型企業とは――バフェットの富の源

第5~8章

 -消費者独占型企業を見分ける8つの基準 / 消費者独占型企業の4つのタイプ
 -絶好の買い場が訪れる4つのケース / なぜ安値で買うことが大切なのか

第9~12章
 -利益は安定して成長しているか / 買値こそ投資収益率の鍵を握る
 -利益成長率から見た企業の実力 / 国債利回り以下では投資と呼べない

第13~16章

 -バフェットが高ROE企業を好む理由 / 期待収益率の水準で投資を判断する
 -コカ・コーラ株の期待収益率と実績 / 疑似債券として見た時の株式

第17~20章

 -利益成長率から期待収益率を求める / 自社株買戻しが株主の富を増やす仕組み
 -本業による利益成長か財務操作か / 経営陣の投資能力評価

第21~23章

 -インターネット時代のアービトラージ戦略 / バフェット流投資のためのワークシート
 -3つのケーススタディ




概要・書評

 

言わずと知れた、バフェットさんの銘柄選択の本。
とてもコンパクトに良い感じでまとめられています。


バッフェトさんの投資法の根幹にある考え方は「株を債権と同様に考えて、長期的な期待収益が高い株券に投資して保有し続ける」というものかと思っています。
単純に言い換えると、高いROE(債権でいう利率)を維持してEPSを安定して伸ばすことができる会社に投資するべき、ということです。

Mr.バフェットは、今の株価と企業価値を比較して高いか安いか判断するという一般的な考え方を取っていません。
今の価格で株券を買った場合、長期的に年間どれだけの収益(EPS成長による収益)を期待できるのかという観点から企業を選びます。


そんなわけで、バフェットさんにとっては、企業が長期的に利益を上げられる構造になっているかということが重要な要素となります。


具体的には、「コモディティ型企業」ではなく「消費者独占型企業」であるのがよいとしていますね。

コモディティ型企業」は名前の通り、代えが効く製品・サービスを売っていて、競合との競争度が高いジリ貧の業界にいる会社のことです。
代わりがあるから、顧客に買い叩かれやすくて、低い利益率やROEを甘受せざるをえない会社という感じです。

「消費者独占型企業」は、代わりが少なくて付加価値の高い事業を行っていて、独占的な地位にある会社のことです。
代えが効かないので、売上に十分なマージンを乗っけることができ、高い利益率やROEを維持できます。


バフェットさんは、この「消費者独占型企業」の株が不当に売られたときを狙って、大量に株券を買い入れて超長期で保有するというスタンスですね。

消費者独占型の企業であれば、ちょっとやそっとでは企業の事業基盤は揺るぎません。
ダメージを受けてもすぐに業績を立て直せます。

こういう会社はROEも高いので、それがテコになって年を経るごとにEPSがぐんぐん伸びていきます。
結果、長期の期待収益が高くなるので高いリターンを享受できるというわけです。

 



参考になった点

 

ファンダメンタル投資と長期投資

 バフェットの方法はこれとは違う。企業の本質価値を計算するのではなく、将来の株価を予想し、それに基づく期待収益率を計算するのである。(p.134)

*文中の「これ」はDCF法などの永続的な利益予測を必要とする企業価値算定のことです。

 

概要でも書きましたが、バフェットさんはふつうの企業価値評価の方法を取っていません。
将来のEPSから株価を予想して期待収益を導くという方法で投資判断をしています。

個人的には「この方法は簡単だし、直感的にも納得しやすいから良いなー」、と…。

と最初はそう思ったのですが、よくよく考えたら、ブログやツイッターのほかの個人投資家さんの銘柄選定法を見る限り、ふつうなのは前者ではなくむしろ後者のバフェットさんの方法(要するにマルチプル法)な気がしてます。

わたし自身、投資始めた最初のほうに取っていたのは後者の方法でしたし。

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でも、バフェットさんの考え方を知って、初めてこの方法の強さを理解できた気がします。

投資に対する心の持ち様が、バフェットさんのスタンスこそが真の「ファンダメンタル長期投資な気がするんですよね。

競争を前提としないという点で本当の意味で長期志向だと思いました。


ふつうのDCF法的な企業価値評価の方法っていうのは、ほかの投資家との競争を前提としているものだとわたしは思っています。

というのも、この方法は、他者を出し抜いて儲けるという裁定取引的な考えで成り立っているからです。
本質価値より安いものを自分だけが見抜いて買い入れて、それがフェアバリューあたりに戻ったときにほかの投資家に売りつけるって感じなので。

だから、短期でも理論株価まで上がればそこで売っちゃいます。
「ファンダメンタル投資」ではあっても、「長期投資」は必然ではなくて結果的にそうなることがあるというだけなんですよね。

 

これに対して、バフェットさんの方法は人に売りつけることに重きを置いていない点が違うのかなと思います。

バフェットさんは、EPS成長によって生まれる期待収益の高さを享受するというスタンスです。
本質価値と現在株価のギャップによる収益を期待しているわけではありません。
誤解を恐れずに言えば、他人にいくらで売るかとかはべつに気にしていないわけです。
あくまで企業の成長自体による収益を期待しているんですよね。
だから、結果として当然長期的なスタンスになります。

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とこんな感じで、DCF的な企業価値評価による投資とバフェットさんのスタンスは違っています。
前者のいわゆる「ファンダメンタル投資」は、長期投資の性質を必ずしも持っているわけではないんですよね。

でも実際のところ、「ファンダメンタル投資」はそのまま長期投資と結びつけられて、「ファンダメンタル長期投資」とイコールで捉えられがちだと思うんですよね。

意味するところをちゃんと理解せずに、「ファンダメンタル派」とか「長期派」とかを名乗る人が結構いる気がしています(あるいは自称「テクニカル派」とか「短期派」とかでもそうかもしれないです)。

わたし自身まだ違いを正確に理解できているとは言い難いですが…

「ファンダメンタルが良い」とか「長期投資が良い」という議論をしたいのではなくて、こういう違いを理解する必要があるということをこの本を読んで感じた次第です。
違いを踏まえて、自分がどの道に進むのかをちゃんと考えておかないといけないと思ったわけでございまする(・_・)

今回の話でいえば、DCF法的に考えて理論株価とのギャップに期待するのか、バフェットのマルチプル法的な考えでEPSの長期の伸びに期待するのか。

どっちのスタンスでいくか決めないといけませんね。


もっとも、今回の件の「ふつうの企業価値評価(DCF法)かバフェットスタイル(マルチプル法)か」ということについては、どちらか一方の方法にこだわる必要はないのかなーとは感じます。

バフェットさんの考え方も根本的には裁定取引的なものであって、一般的な企業価値評価の方法と相違ないとも思いますし。
将来のEPSがどれぐらいになるかを考えるということは、結局は長期的な利益を予想してDCF法的に企業価値がいくらなのかを考えることと同じなので。

片方を使ったらもう一方は使えないというものでもないので、両方使って相互補完的に見るのがベストかなーといまのところ考えています


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うーん後半は抽象的でわかりにくくなってしまいましたね…
ご意見、ご質問ありましたらぜひぜひ……


とりあえず今日はこれにて!
ではでは(^^)/