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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#17:『MBAバリュエーション』

読書記録(書評)


こんにちは!

読書記録目次」より十七冊目の感想文でございますー
今日はこちら。

MBAバリュエーション』,森生明,2001,日経BP

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目次・概要

 

 

目次

基礎編:道具の理解―経営のグローバル共通言語

 -企業価値という共通語
 -企業価値を決める要因
 -会社の値段と企業価値の違い

実務応用編:株価算定とM&Aの実務

 -会社の値決めの実際1‐市場による評価
 -会社の値決めの実際2‐会社を買収する場合
 -M&Aによる価値創造のしかけ
 -M&A現場の実況中継―A社を買収せよ
 -「良い」M&Aと会社経営



概要・書評

企業価値とはなんぞやという点について、丁寧にまとめられた本。。
現在価値とか割引率などのファイナンスの基本的な概念を皮切りに、マルチプル法からDCF法まで企業価値評価の全体像が分かりやすくまとめられています。

詳細な方法論にはあまり立ち入っていなくて、価値評価の根幹にある考え方が書かれている感じです。
とくに、PERやEBITDA倍率などのマルチプル法とDCF法とのつながりが書かれた部分が参考になりました。

個人的には企業価値評価の勉強を始めるときに一番最初にオススメしたい本です!



参考になった点

 

マルチプル法とDCF法

「何倍」という発想で株価を見ている人は結構多く、「ディスカウントレートは何%」という発想で株価を見ている人は少ない。(p.39)


PERとかのマルチプル的な手法を使う人は、DCF法的な割引率を使った考え方をしない傾向があるという文章。
マルチプル法はDCF法と密接に絡んでいるのに、それを自覚している人が少ないと筆者は言います。


マルチプル法(PER)とDCF法の関係をみてみましょう。

みなさんご存知の通り、PERは「株価を一株あたりの年間利益で割った値」になります。
株価が何年分の利益に相当するかを見ることで割高か割安かをジャッジします。

「業種平均PER18倍に対してA社は10倍だから、A社に投資すれば投資資金を8年早く回収できることが期待され、割安だと判断できる」みたいな感じです。


しかし一方で、PERは下記の式で表すこともできます。

PER=1/(割引率-成長率)

たとえば、割引率6%で成長率が2%であれば、1÷4%でPERは25倍になります。

この式は、実はDCF法の一番シンプルな価値計算式を変形したものなんですよね。

DCF法では「企業価値=利益/(割引率-成長率)と定義されています。
説明は省きますが、この式で、企業が将来に生み出すすべての利益の現在価値の総和を求めることができます。
この式の右項の利益を左項に移項すると、先のPERの式になります。


だから、PERを使った考え方は、実際には、「将来にどれぐらい収益が増えてその収益はどれだけ割り引かれるのか、結果現在価値はいくらなのか」とDCF法的に考えているのと同義だということです。
PERが25倍であるなら、それは株価が25年間分の利益に相当するということだけでなく、割引率と成長率の差が4%であることも同時に示唆されているわけです。
ですから、PERによるマルチプル的な思考は、実はDCF法の考え方と直結しているということになるんです。

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と、そう考えていくと、DCF法が使いづらいのと同様に、PERの倍率が使える場面も実は非常に限られることがわかってきます。

簡単に言うと、PERを単純比較してあれこれ言うことはなかなかできないということです。

企業の割安さを判断するとき、同業内の他社とPERを比較するということをされている人は多いかと思います(わたしもです)。

でも、同じ業種だからと言って、比較が有効だとは限らないんですよね。
というのも、割引率や成長率が違えば、PERが同水準でも全く違ったバリュエーションのされ方になっているからです。

抽象的かつ極端な例ですが、PERが100倍で割高な感じのA社とB社があったとします。

A社は割引率15%・成長率14%でPER100倍、一方のB社は割引率2%・成長率1%でPER100倍です。
このときこの二社の事業構造が全く違うことは一目瞭然かと思います。
A社は超攻撃的で高成長、B社は超安定的で低リスクという感じの企業なので。

比較するなら、A社であれば同様に成長率が高いアグレッシブな企業と、B社であれば同様に割引率の低い安定した企業とおこなうべきでしょう。

(話それますが、B社は事業自体は非常に安定しているのにPERは100倍と株価が攻撃的に見えるのは面白いところですね)


そのため、PERを使って比較をする際には、いくら同業であっても、割引率や成長率が近い企業でないとあまり意味がないということになります。

もし割引率と成長率の二つがあまりにかけ離れているなら、利益構造が似た別の業種の企業と比較すべきなんですよね。
割引率か成長率のどちらか一方は同じレベルにないと、事業のリスクや成長性が全く違うことになるので、比較のしようがないわけです。


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株主資本とリスク

企業家たちの野心を信じる投資家たちによって、リスク資金を調達できる株式会社という仕組みができあがり、発展してきた。(p.74)


株主資本はリスク資本だという記述。

考えてみれば当然ですよね。
借入よりも株式のほうが企業にとってはコストが高いので。
リスクの高い事業に投資しないと、企業としては元が取れなくなります。

だから、自己資本比率の高さは事業リスクの高さと結構結びつくはずなんですよね。
これは以前の読書記事で書いたことですけど(^_^;)

自己資本比率が高い企業は、事業リスクが高いからこそ、借入がなかなか難しく株式に頼らざるをえないためにそうなっていることが多いのです。
逆に、自己資本比率が低いという場合は、事業リスクが低いから株式に頼る必要がないということでもあります。


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その他

 

「投資活動の基本原理は意外に単純だ」と割りきり、細かな知識や技術論をいったん忘れて核心部分だけをしっかり掴まえ、後はひたすら現場感覚で常識的に考える。(p.2)

期待という言葉はもっと冷静かつ分析的な用語として使われている。(p.47)


いつものことながらまただらだらと書いてしまいました……

この引用もともに印象に残ったので詳細書きたいところですが、引用だけにとどめます。
またどこかにて紹介をば。


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土曜日は読書さぼってしまいました><
勉強は早めに片づけて銘柄の調査にはやくうつっていきたいところ……
ですが、あせらずゆるゆる頑張ります(^^ゞ

ではでは~!