読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#24:『ブルー・オーシャン戦略』


こんばんは!

今日は「読書記録目次」より二十四冊目の感想文ですー
けふはこちら!

『ブルー・オーシャン戦略』,W・チャン・キム,レネ・モボルニュ(有賀裕子訳),2005,ランダムハウス講談社

 

f:id:ohnum:20160601210503j:plain





目次・概要

 

 

目次

第1部 ブルー・オーシャン戦略とは

 -ブルー・オーシャンを生み出す
 -分析のためのツールとフレームワーク

第2部 ブルー・オーシャン戦略を策定する

 -市場の境界を引き直す / 細かい数字は忘れ、森を見る
 -新たな需要を掘り起こす / 正しい順序で戦略を考える

第3部 ブルー・オーシャン戦略を実行する

 -組織面のハードルを乗り越える / 実行を見すえて戦略を立てる

結び:ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新


-------------------

 

概要・書評

 

 ご存知の方もおそらく多い『ブルー・オーシャン戦略』。

 主張を簡単にまとめると、「新しい価値評価基準を持つ製品・サービスを生み出すことで、競合のいない状態を作り出すのが優れた戦略だ」ということになるかと思います。

 「従来の価値基準で見ると一見劣るように見えるけど、別の新しい基準で見ると実はとっても優れている」というような製品・サービスこそが、市場を開拓する力を秘めているという感じです。劣っているように見えるから既存企業はその脅威に気づきにくいし、気づいたとしてもカニバリの危惧とか既成概念の縛りとかの影響もあって、追従が遅れてしまうというわけです。結果、ブルーオーシャン戦略では強固な競争優位を築けるようになると筆者は言います。

 『イノベーションのジレンマ』でいうところの「破壊的イノベーション」にかなり近いとわたしは感じました。「破壊的イノベーション」でも、一見劣った新しいモノが既存のモノを凌駕するという感じで本書とまったく同じようなことを言っていますので。

 ただ、本書では「バリューイノベーション」という言葉にあるように、製品やサービスの質の向上とコストダウンが両立すると強調しているのは新しいところかと思います。従来の戦略論では、品質とコストはトレードオフと捉えられることがかなり多かった気がするので新しい視点かなーと。
 あと、このようなイノベーションを起こすために、どんな風にアイデアを考えればいいか、どう組織をマネジメントすればいいのかといったころまで踏み込んで説明されている点もとても勉強になりました。




参考になった点

 

先発優位か後発優位か

画期的なアイデアを育む際のリスクやコストは、模倣者ではなく発案者が負う。(p.169)


 引用は文章の通りです。新しいアイデアを考えたり実行するコストやリスクは、発案した人(最初にやった人)が負うというもの。だから、基本的には、先に市場を開拓するよりも、後からそれに乗っかるほうが有利(後発優位)というわけですね。

 でも、そうだとするとイノベーションを起こす動機がどの会社にもなくなるんじゃないか、となりますよね。もちろん実際にはそんなことはなく、先に開拓したほうが有利になるケースもあります。先発者が市場の開拓と同時に参入障壁を築いてしまうケースがそうですね。技術とか特許、規模の経済やネットワークの外部性とかで他社の参入の力を弱められるような場合に限り、先発優位になります。

 この中でも、技術とか特許はわかりやすいですね。他社に技術や権利がなければそもそも参入のしてきようがないので。一方、規模の経済とネットワークの外部性はなかなか一筋縄ではいかない概念になってます。というのも、この二つは地道な積み重ねでようやく築ける参入障壁なので、先発優位と直接的には結びつかないからです。技術とか特許は、市場の開拓と同時に一瞬にして確立することができるので、他社を1か0かで排除することができます。ですが、規模の経済やネットワークの外部性はそうはいかず、他社の参入を遅らせることはできても、参入自体は阻止できません。参入の遅れがあるうちに、素早くかつ着実にレンガを積み重ねていけない限り、先に入ったとしても障壁は築けないわけです。

 と、ここまでくると、イノベーションを自社で起こすことに注力するか、イノベーションは他社に任せてそれにいち早く追従する体制を整えることに力点を置くか、どちらを取るかは難しい問題だなーとわたしは思いました。というのも、多くの場合は、規模の経済とかネットワークの外部性で地道に障壁を築くことに勝機を求めざるをえないことがほとんどだからです。イノベーションと同時に瞬間的に技術や特許で障壁を築くというのは一部の業界に限って用いることができる戦略かと思いますので。

 だから、ほとんどの会社にとっては、イノベーションを起こす力と同じぐらい、機動的に立ち回って障壁を築く能力も求められるはずだとわたしは感じます。個人的には、後者の能力は軽視されがちな気がしています。いくらイノベーティブな会社でも、後者の能力も必ず必要になるはずなのに、です。

 どんなに革新的なアイデアであっても、それが生み出すことができるのは、究極的には他社が参入してくるまでのタイムラグに過ぎません。他社が参入してくること自体は阻止できないのです。だから、そのタイムラグというアドバンテージで足りると言えるぐらい、機動的に障壁を作る力を持っていなければならないわけです。逆に、どんなに革新性がない企業でも、素早く障壁を作る力がひときわ高ければ、それだけでタイムラグのハンデを補って余りあるということにもなります。

 

 と、そんなわけで、今後の企業分析では、いかにビジネスのアイデアが優れているかというところだけでなく、どれだけうまく組織を回して他社に素早く追随することができるかも見ていきたい所存ですφ(..)

 

-----------------


製品価値と利益

 

往々にして、補完財や補完サービスには潜在的な価値が秘められている。それを解き放つためのカギは、自社の製品やサービスを購入する際に、買い手がどのようなトータル・ソリューションを求めているかを見極めることだろう。(p.95)

たぐいまれな効用を生み出せるかどうかを知るためには、顧客経験のサイクル全体を通して、効用を実現するために最大の障壁を取り除けたかどうかを確かめるとよい。(p.165)


 引用は、顧客の製品・サービスの使用経験の流れでボトルネックになっている箇所を解決する製品・サービスこそ価値があるっていう感じの意味ですね。

 これはまったくその通りだなーと思いました。顧客の真のニーズはなにか、その中で満たされていない部分は何なのかを考えることで、本当に顧客にとって価値のある製品・サービスを生み出すことができるというのは否定できないですよね。

 ただ、そのような製品・サービスを生み出すことと、利益が出ることとはまた少し違ってくるとわたしは思っています。顧客にとって価値があるからと言って自社が利益を出せるとは当然限らないんですよね。でも、これは結構イコールで捉えられがちな気がしてます。もちろん顧客にとっての価値と利益の因果関係はあって、かなりの程度相関しているとは思いますが。
 このことはまた別の機会にでも詳しく書きたいと思います。


-------------------------------------


 では、今日はこれにて(^^ゞ
 次回はブルーオーシャン戦略の日本版です!