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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#25:『日本のブルー・オーシャン戦略』


こんばんは!

きょうは久しぶりの読書記録ですー。
今日の本はこちら。

『日本のブルー・オーシャン戦略』,安部義彦・池上重輔,2008,ファーストブレス

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目次・概要

 

 

目次

第1部 ブルー・オーシャン戦略の成功事例

 -ブルー・オーシャン戦略を体現する製品──任天堂Wii

第2部 ブルー・オーシャン戦略の概要

 -新しい需要を創造することが、ブルー・オーシャン戦略の目的
 -ブルー・オーシャン戦略における3つの主要素と全体像
 -レッド・オーシャン(競争)戦略
 -バリュー・イノベーションとブルー・オーシャンの基本ツール

第3部 ブルー・オーシャン戦略の活用

 -ブルー・オーシャン戦略のプロセス
 -正しい順序で戦略を考え利益を上げる
 -ブルー・オーシャンの実行

第4部 よくある質問とその回答

 -活用のためのQ&A


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概要・書評

 

 前回の読書記事につづき、今回もブルーオーシャン戦略について。

 タイトルの通り、本書はブルーオーシャン戦略を日本の製品・サービスを事例に解説したものです。任天堂WiiユニクロQBハウスなどが例として出てきます。日本の例に沿っている分、もとの本よりも読みやすくなっています。
 また、ブルーオーシャンレッドオーシャンの違いをていねいに説明している点もわかりやすいです。原著ではポーターやコトラー的なレッドオーシャン戦略は理解していることが前提で話が進んでいますが、この本では事前にその対比がなされているので内容が入ってきやすいです。

 わたし的には、どちらかと言うと、原著よりこちらをおすすめしたいです。

 ちなみに、ブルーオーシャン戦略は、一言でいうと新しい価値評価基準を持つ製品・サービスを生み出すことで、競合のいない状態を作り出す」ことです。決して、単に競合のいない市場を見つけて、そこに入っていくようなことを意味するわけではありません。ブルーオーシャン戦略は、「作り出す」という言葉にあるように、自社の努力によって市場を開拓していくようなイメージです。

 この戦略を実現するうえで重要なのが、製品やサービスの質の向上とコストダウンを同時に達成することを目指すという点です。従来の戦略論では両者はトレードオフなものと見られがちでした。ですが、ブルーオーシャン戦略では、顧客に不要なものを削ってコストダウンを図り、そのうえで、隠れた顧客のニーズを満たすことで質の向上も同時に狙います。そこにブルーオーシャン戦略の新しさがあるわけです。
 




ブルーオーシャン的製品・サービスとは

 

自社のバリュー・カーブが、(…中略…)「資源のフォーカスが明確である」「差異の明確な独自性がある」「極めの一言で市場に訴えかけられる」を満たしていれば、その戦略は今後も追及する価値があると考えてよい。(p.112.)


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1.ブルーオーシャン戦略の三つの要件

 引用は、製品・サービスについて、有効なバリューカーブを持つものかどうかを判断するための要件を示した文章です。その要件は、「資源の集中」「独自性」「簡潔さ」の三つであるとしています。

 ちなみにバリューカーブというのは、顧客にとっての価値評価基準という意味です。値段や性能、ブランド、手軽さやファッション性などなどの種々の要素をどれだけ満たしているかを棒グラフで表したものです。

 たとえばこんな感じの。
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 引用の文章では、こんな感じに差別化して新規市場を開拓するためには、「集中」「独自性」「簡潔性」の三つが必要だと言っています。つまり、ブルーオーシャン戦略を取るためには、重点を置く領域を決めてリソースを集中して、一言でコンセプトが伝わるぐらいの明確な差異を作り出さなければならないというわけです。

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2.シンプルさがブルーオーシャンの証明となる

 この三つのなかでわたしが特に気に入ったのは、最後の「極めの一言で市場に訴えかけられる」という「簡潔さ」の要件です。というのも、「簡潔さ」こそがブルーオーシャンレッドオーシャンとの一線を画すキーワードだと思ったからです。ほかの二つは選択と集中による差別化みたいな話なので、結構当たり前な感じがしましたし。

 「簡潔さ」というのは、主に他の製品やサービスとの「違いを示すうえでの簡潔さ」です。違いを一言で訴えられるような簡潔さが必要ということです。たとえば、任天堂Wiiであれば、「シンプルでみんなで楽しめる!」みたいなメッセージですね。このメッセージであれば、PS3Xboxのハイテクで難しくて一人でやるイメージとは違うことが、一言で伝わってきます。


 では、なぜこういう風に簡潔に伝えられることが必要なのでしょうか。
 それは、従来の戦略論のように機能の差別化に終始してマーケットの奪い合いに陥らないようにするためです。

 ポーター的な戦略論では、差別化によって他社から顧客を奪い取ることを志向します。ここで言う、差別化というのは主に機能の向上を指しています。質を上げて付加価値の高い製品を作ることで、より多くの顧客を獲得しようとする感じです。
 ところが、質の競争になってどんどんそれが向上すると、顧客からするとあまり違いが分かりにくくなっていきます。「○○が良くなりました」みたいにアピールしても、顧客からはすぐには優位性が感じられなくなるわけです。たとえば、従来のフィルムカメラの画素勝負みたいな。素人からしたらあまり知覚できないような域での差別化に終始していました。

 しかし一方で、ブルーオーシャン戦略は、質の向上で他社から顧客を奪うという類の戦略ではありません。質評価のパラダイム自体を変えてしまうことで、まったく新しい層の顧客を作り出そうとするのです。(もちろん結果的には顧客を他社から奪うことにはなりますが)
 カメラの例でいえば、デジカメがそれに当たりますね。フィルムカメラのようにきれいに何かを取るというよりは、手軽に出先で使えるようにと作られたのがデジカメでした。「外で気軽にパシャパシャできます!」というコンセプトですね。つまり、カメラの評価基準に「きれいさ」だけでなく、「手軽さ」という新しい軸を持ち込んだのです。それによって、デジカメは一気に新しい顧客層を作り出しました。ただ、いまではそのデジカメも細かな画素勝負のレッドオーシャンになっていますけどね…

 というわけですので、簡潔に一言で伝えらるかどうかをチェックすることこそが、自分が勝負しているところがレッドオーシャンブルーオーシャンかを見極める手段になるとわたしは思うわけです。
 ブルーオーシャンに漕ぎ出すためには、一言で伝わるぐらいに、製品・サービスの捉え方自体を変えないといけません。製品やサービスの違いを一言で言えないなら、レッドオーシャンのなかでの差別化をしているに過ぎないのです。たとえそれがどんなに優れていても、です。

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3.簡潔さと投資

 と、ここまでで、ブルーオーシャン戦略には簡潔さが重要とみてきました。
 わたしは、投資においても、簡潔さが重要というのは一緒かなーと感じました。投資理由は一言で語れるのが理想という風に考えました。

 グラデーションでの言い回しになってしまうような投資理由は望ましくないと思うわけです。たとえば、「みんなは○○の事業がこれから二倍伸びると考えてるようだけど、わたしは三倍伸びると思うから買いだ!」みたいな。でも、これだと、○○の成長率をどれだけ正確に予測するかという認識の程度の違いが投資の根拠になってしまいます。企業が製品の質の向上度合いで勝負していたのと同じように、投資家も分析の精緻さの程度というレッドオーシャンで勝負してしまっているのです。

 そうじゃなくて、1か0で理由を語れたほうがはるかに優位性があります。「ん?みんなが言う○○の事業ってどうでもよくない?それより××無視してていいの?この要素があるんだから買うにきまってるじゃん」的な。これぐらいに別の視点を持ち込めないと、ほんとに優位性を持った判断にはならないと感じた次第です。

 分析の緻密さはもちろん重要でしょう。でも、緻密さは消耗戦です。情報のピースをどれだけかき集められるか、ピースの形をどれだけ正確に捉えらるか……。とてつもない根気と知性が必要ですし、なによりすごい時間がかかります。

 そこに踏み出す前に、少しでもブルーオーシャンへの道を探るようにわたしはしたいです。程度というテクニックでの勝負ではなくて、白か黒かの戦略上の勝負を取るために…。

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最後抽象的になってしまいましたが、今日はこれにて!
最近読書サボり気味だったので、もう少しは読んでいきたいですねー

ではでは(^^ゞ