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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#27:『競争戦略論Ⅰ』

 

こんにちはー
二か月ぶりに投資記録以外の記事をあげます…

今日は「読書記録目次」より二十七冊目の感想文ですー
けふはこちら。

『競争戦略論Ⅰ』,マイケル・E・ポーター(竹内弘高訳),1999,ダイヤモンド社

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目次


第1章 競争要因が戦略を決める

第2章 戦略とは何か

第3章 情報をいかに競争優位につなげるか

第4章 衰退産業における終盤戦略

第5章 競争優位から企業戦略へ


概要・書評


  ポーターの戦略論がまとめられた本です。ⅠとⅡの二冊に分かれています。今回のⅠは、「5フォース分析」や「三つの戦略」などの業界構造・競争戦略の分析フレームワークが中心に書かれた本。Ⅱは「クラスター理論」がメインで書かれている様子(こちらは未読)。
 ポーターの概念についてはいろんなサイトでわかりやすくまとまっておりますので、ここでの説明は割愛いたします(というよりめんどくさいだけ)。

 わたしは今回がはじめてのポーター本でした。が、残念ながらそこまで新しい情報はなかった印象。5フォース分析とか三つの戦略についてはいろんな本で紹介されていますし。どちらかというとそういう本のほうがむしろ詳しい説明がされているぐらいでした笑
 ちゃんとポーターの戦略論を知りたいなら、『競争優位の戦略』とかの本当の原典読まないとダメなんでしょうね…高くて手を出せない( ;∀;) 

 この本を読んであらためて思ったことは、だいたいの定性分析の手法はポーターがベースになっているということでした。
 わたしが読んだ限りでは、どの経営戦略の本も、濃淡はあれどベースはポーターにある気がしています。真逆なことを言っているように見える場合でも、スタート地点はポーターへのアンチテーゼになっていて、所々でポーターの陰が見え隠れするといった感じです。
 投資本で出ててくる分析手法にしても、大方ポーターの焼き直しに見えます(そこにプラスアルファでリソースの話とかが合わさってたりするだけ)。

 本書はボリュームが少なくて難しい書き方もされていませんので、戦略論を勉強しはじめでも手軽に読める良い本だと思いますー
 ただ何かの本でポーターの概念を見たことある方は、この本買うよりも『競争の戦略』とか『競争優位の戦略』を直接読んだほうが良いかもしれません。(…結局この記事書きながら注文しました('ω')ノ笑)




戦略とトレードオフ

 

戦略とは競争上必要なトレードオフを行うことなのである。 (p.98)


 引用は文字通り取捨選択こそが戦略である」という意味です。何かを得るためには何かを諦めないといけないという。要するに「選択と集中」みたいな感じですね。ポーターの戦略論を端的に表していると思ったため引用しました。

 この言葉はある意味当然かもしれませんね。自社がある選択肢を取ろうとするとき、トレードオフがないのであれば、その選択肢を取ることに議論の余地はないですよね。マイナス要素がなくてプラスしかないのですから、悩まずとも実行すれば大丈夫です。だから、トレードオフのない選択は戦略的な意思決定にはならないわけです。

 

オペレーションは競走優位を生まない


 トレードオフのない活動の最たる例はオペレーション効率化ですオペレーション効率化というのは、業界内でどの企業にも共通する活動の生産性をあげることを指します。具体的には、従業員の手待ち時間をなくしたり、設備の稼働率や効率を上げたりといったようなことです。

 オペレーション効率化では、実行にかかるコストはどの会社にとってもほとんど変わりありません他社と共通した活動を効率化するだけなので自然とそうなりますよね。費用対効果が均衡するところまでは、有無を言わさず行う価値があります。そこに戦略的な判断は伴いません。そんなわけで他社からの優位性は生まないわけです。
 もちろん実際にはオペレーションで差がついているように見えるケースもあります。特に成長産業では企業ごとで取り組みの度合いが違うような感じがしてます。短期的にはそれがある企業の優位性を生んでることもありそうです。

 ですが、オペレーション効率化は長期的な優位性を生みません。遅かれ早かれ他社も簡単に追いついてこれますので。それにもかかわらず、オペレーション上の優位性を戦略上の優位性だと勘違いしてしまうことが往々にしてありますので、注意が必要です。他社から利益率や回転率が良くても、オペレーションがうまいだけではそこまで大きな意味はありません。

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 投資で成長企業を探すときも、競争優位とオペレーションの巧拙がごっちゃになりやすいので気を付けたいですね。実際、利益率や回転率をスタート地点に分析する人が少なくなくて、結果としてオペレーションの巧拙を分析してしまっていることが結構ある気がします。

 成長企業の良し悪しは利益率や回転率でそのまま見えてくるとは限りません。成長産業では、どの企業も長期目線での優位性獲得を目指しています。将来どんなポジションを取りたいか、そのためにどんな製品・サービス、バリューチェーンを構築すべきか…。戦略上の意思決定が先に来るので、オペレーション効率化は後回しになっていることが多いです。目先の利益率や回転率はひとまず棚に上げられています。
 だから、成長産業において、ある企業の利益率や回転率が相対的に高い場合、その理由は単にオペレーションの効率化を他社に先んじて前倒しでやっているからというだけだったりします。長期でみればこれはネガティブ気味に取れます。今すべきはずの戦略上の意思決定を十分取らずにオペレーション効率化に邁進してしまっていると捉えられることが多いからです。

 それなのに利益率・回転率を起点に成長企業を分析してしまうと、オペレーションの効率性を競争優位だとミスリーディングしてしまいかねないんじゃないかなーと。気を付けていても二つを混同しないようにするのは難しそうです。もっと悪いと、あるはずもない競争優位をでっちあげてしまったりもしそうです。
 もし仮に、成長企業に対してオペレーションを基準に投資判断をするのであれば、利益率や回転率の良い会社ではなくて、むしろ率が悪くて後れを取っている会社に投資したほうがいいはずです。そのうち簡単にキャッチアップできるわけですから。もちろんオペレーションに戦略的な競争優位があると考えているならこの限りではありませんけど…

 オペレーションと戦略の境界はグレーなところもありますが、自分の見出した企業の強みがどちらに位置するのかは意識していきたいですね。


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 今日はこの辺で… 最近ブログさぼりすぎてました… 二週間に一回は読書記事書きたいです。記事書いてないと読書もさぼり気味になってしまいますし(+_+)

 ではではー!