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ちゃーりーとちょこっとレーティング工場

20代サラリーマンのまったり株式投資記録です

読書記録#28:『企業分析シナリオ』


こんにちはー

今日は「読書記録目次」より二十八冊目の記録です。
今回はこちら。

『企業分析シナリオ』,西山茂,2005東洋経済新報社

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目次


序章 企業の目標と企業分析

第1章 企業評価の方法

第2章 定性的な分析と財務データとの関連付け

第3章 財務データの見方

第4章 財務比率分析

第5章 会計方針と企業分析

第6章 総合的な評価

 

概要・書評

 

 企業価値評価の手法や財務指標の読み方がまとめられた本です。

 前半ではDCFやWACC、EVAなどのファイナンスの基礎的な概念が、後半ではROAROEを起点に利益率・回転率などの財務比率の見方が書かれています。内容は基本的なものですが、非常にわかりやすくまとまってる点が良かったです。ファイナンスや財務分析の本読んだことある方にとってはあまり目新しいものはないかもしれません。

 個人的には第二章だけでも読む価値がありました。定性データと定量データとの結び付け方についての章です。
 ポーターの定性分析フレームワーク(5フォース・3つの戦略・バリューチェーン)をどう数字に落とし込むかといったことが書かれています。たとえば、買い手の交渉力が強いと売上債権の回転スピードが落ちるとか、差別化戦略を取っていると比較的に資産が膨らむとか。
 わたしはこういったことはいままでちゃんと考えてこなかったので、とても参考になりました。章のボリューム自体は少ないですし、内容も割と当たり前と言えばそうなのですが… でも、定性と定量の関係を考えていくうえで良いきっかけ・ヒントを得られた気がします。



定性分析と定量分析

 

 このような企業の状態が業績に反映されてくるので、企業の財務分析は定性的な分析と関連付けながら行うことが重要である。(p.76)
*文中の「このような状態」はポーターの分析枠組みから見た企業の定性状態のことです。


 引用は先ほど触れた第二章の序文の一節です。両者を結び付けることが重要だと言っています。ここで言われるまでもなく、ファンダメンタル投資をされている方は二つを結び付けようとされていることかと思います。

 わたしはこの本を読んで、「定性と定量のどちらを先に持ってきたほうがいいのか」を少し考えてみました。結論としては、「財務数字を先に持ってきて定性分析はその裏付けに使うのがいいんじゃないか」という感じになりました。

 業績から定性状態を推定してその整合性を見て分析するといった感じです。かっこよくいうと「業績のリバースエンジニアリング」です(`・ω・´)笑
 具体的な分析の流れは次の通り。会社の現状を分析する際は、「1.統計や決算等の定量データ読み込み→2.過去・現状の定性状態を数字から推定→3.説明資料やレポート、記事等の定性データから裏付け」という流れ。企業の将来を考えるときは、「1.適当にレンジを取って定量データを仮定→2.数字に相当しそうな定性状態を推定→3.その定性状態がありえそうか検討」という感じです。

 会社の過去とか今を分析するときは、数字を先に分析して、そこから定性を推定している人が多いかと思います。でも、会社の将来を見るときにも、同じように定量を起点にしているという人は少ないのではないでしょうか。わたしもそうですけど…

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 こんな風に現状分析だけでなく将来予想でも数字を先にした理由は、予想がよりうまくできるようになりそうだと思ったからです。数字先行のほうが、網羅的に考えられそう(それに楽そう←)かなーと。

 将来予想するとき、数字であればいくらでもパターンを想定できます。業績状態の1から100までグラデーションみたいに簡単に。でも、定性的な状態については、いろんなパターンを想定するのは難しいと思ってます。定性は捉えどころがないので、とても濃淡で考えられるものではないです。いくつかの極端な状態を考えるぐらいで精いっぱいなんじゃないかなーと。

 実際、定性分析を先にしている人の多くは、自分が一番ありえそうだと思う一つの定性状態だけを軸にして業績を想定しているように見えます。その数字から少しバッファを見て業績の幅を取るという感じなのではないでしょうか。
 良くても、最良・最悪の定性状態をそこに付け加えたり、さらに上下と中間の間にありそうな定性を一つか二つずつ考えるといった具合になりそうです。そこからもっと複雑に何個もパターンを想定するのは難しそうです。少なくともわたしには無理です(+_+)
 いずれにしても定性を先に据えると、視野が狭くなりやすい気がします。

 一方で、数字を先にすると、定性の予想の幅は一気に広がります
 この場合、定性的な材料が何もないところからスタートします。なので、とりあえず適当に将来の数字を何個か仮定して置いてみることになるかと思います。そこから各数字に相当しそうな定性を推定するという。苦悩して一から見出さないといけなかった定性状態を、数字が自ら教えてくれます。数字変えるだけでぽんぽん追加でパターンを考えていけるというのも良いです。

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 と、そんなわけで、定性先行ではなく定量先行で分析を行うのがいいと思ったわけです。
 とはいえ、実際は定性も定量も絡み合っているので、交互に足を踏み出しながらの分析って感じになるんでしょうけど。いくら数字先といっても、本当に定性情報が何もなければパターン無限で途方に暮れちゃいますし。
 ただ自分は今まで典型的に、ありえそうな定性状態から業績考えてそこから適当にレンジ取るって感じだったので、今後数字先行を意識しながらも考えていきたいです。


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では今日はこれにて!